中途半端な旅の記録とみのまわり

こちらにお引越しして間もないので、まだ新しい記録はまとめられていませんが、ゆっくり慣れていきます

五島列島 福江島滞在記(4日目奈留島編)

実は4日目に帰るつもりで、帰りのエアチケットも用意していたのですが、前の晩に楽しく飲んだ勢いで「もう1泊したい!チケットキャンセルしちゃえ!」ってことになって、何も考えずにチケットをキャンセルしてしまったのです。

夜中から雨が激しく降っており「延泊したところで明日は何もできないな~」と思いながら眠りについたのですが、二日酔いの重い瞼が開く頃には、雨はすっかりあがっていました。

世界遺産候補になっている久賀島の旧五輪教会堂を観に行こうとフェリーのりばへ。

フェリーのりばの観光案内所の方に「久賀島へ行きたいんですが」と言うと「あと10分であちらの桟橋からシーガルという船がでますから、そのまま乗船してください。チケットは中で買うかたちになります」と教えていただき、10分後ならもう並んだほうがいいのかな?と桟橋へ。

これがシーガルです。黄色い船体が目印イメージ 1
しかし、これが10分たっても、誰も並ばないどころか、船員らしき人も来ない。
さらに10分待ちましたが、やっぱり来ない。
この時期はまだ寒かったので、そろそろ外で待つのも限界に。
いくらのんびりした島でも、こんなはずはないと観光案内所に戻るとさっきと別の方が座っており、再度お聞きすると「現在船がドック入りしている関係で、時刻表と違う発着時間で運行しています。次の船はこちらの時間ですね」と臨時の時刻表を見せてくれました。

え、じゃあ、さっきの人はこれ知らなかったのかぁ(泣)

臨時の時刻表を見ると、次の出発は1時間半先。そりゃ、誰も並ばないはずだわ。
他の目的地へのフェリーの時刻をなにげなく見ていると、奈留島へのフェリーがちょっと待てば出そうなので、急遽目的地変更。

奈留島にも世界遺産候補になっている教会があるのです。

さて、奈留島へ行くフェリーはフェリーオーシャン。
このほかにもニューたいようと、フェリー太古が福江島奈留島を往復するフェリーです。
フェリーオーシャンは奈留島を経由して、中通島へ行くようです。
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船内はこんな感じで、けっこう広々。
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奈留島へは45分で到着します。

島内移動はレンタカーという選択肢もあるのですが、最終のフェリーの時間まで2時間程度しかありません。予約もしていないので、手続きをする時間などを考えたら、観光の時間がもったいない。
今回はタクシーで見どころを回ってもらうことにしました。
料金は1時間半で5000円でした。

まずは「江上天主堂へお願いします」とタクシーの運転手さんに伝えると「予約はしていますか?」との一言に愕然。

予約いるんですかーーー(驚)

そうなんです。
江上天主堂の内部拝観には事前の申し込みが必要だったのです。

予約はこちらへ
長崎教会群インフォメーションセンター
TEL:095-823-7650

でもそこは島の人同士の関係が救ってくれました。
タクシーの運転手さんが、すぐに携帯電話で直接教会守の方に電話を入れてくれたのです。
あいにく教会守の方の電話が留守番電話だったようで、他の見どころを巡りながら返事を待つことに。

まずは松任谷由実さんが荒井由実の名前で活動していた頃に奈留高等学校(当時は五島高校奈留分校だったそうです)に贈った「瞳を閉じて」という曲の歌碑に案内していただきました。

もちろん歌碑は奈留高等学校の敷地内にありますので、もし私だけだったら立ち入るのに躊躇するところですが、タクシーの運転手さんは慣れたものです。
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当時五島高校の分校だった奈留高等学校の生徒が、ユーミンのラジオ番組に「私たちの学校の校歌をつくってください」と手紙を出したことがキッカケで作られた曲です。

結局校歌にはならず、愛唱歌ということで、今でも学校の式典で歌い継がれています。

ここで江上天主堂の教会守の方から連絡があり、イレギュラーではありますが見学を許されることに。
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大正7年に建立された教会は、たった50家族ほどの信者の資金を集め建てられたそうです。
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湿気が多い場所であることから、高床式を採用しているとのことでした。

こちらの内部の柱部分などには、美しい木目が見えますが、実はこの木目はフェイク。
腐りにくい木材は高価で手に入らなかったため、木材の腐食を防ぐためにベンガラという赤い塗料を塗って腐りにくくしています。見た目にもより立派な教会にするため、その上からさらに木材の色で木目を描いたということでした。この細かい仕事を実際に目にすると息を飲みます。
もし剥がれてしまったら、もう修復できる技術を持った人がいないため、教会内はむやみに手を触れないよう注意があります。それにしても、この状態で保存されているのは、本当に信者さんが大切にされてきたのでしょうね。

窓のステンドグラス風の模様も手描き。
現在はかなり色が落ちていますが、当時の状態を想像して、しばし見つめてしまいました。
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実は、この天主堂の横にある林にハート型の枝があるということで、ひそかな話題になっていたそうなのですが、なにしろ急にでかけたもので、この時点ではそれを知らず、見ることができませんでした。ちょっと残念。

次に島の中心部にあるカトリック奈留教会へ。
バザーなどのイベントも行われていて、島の人の交流の場にもなっているようでした。
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ちょうど教会のなかでは、オルガンを弾いている方がいらっしゃいました。

次は運転手さんにお願いして、奈留島景勝地である千畳敷へ。
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ゴツゴツした岩がミルフィーユみたいに重なって、天然の舞台のようになっています。

運転手に連れて行ってもらったビューポイントからの写真がこちら。
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ビューポイントといっても細道の途中に車を停めて撮った感じで、タクシーでなければ落ち着いてみていられなかったでしょうね。運転手さんに感謝です。

本当は地元の食堂なんかも行ってみたかったんですが、フェリーの時間が近づいていたので、フェリー乗り場に向かうことに。
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奈留島から福江島へのフェリーの最終便は15:55と以外に早め。
これを逃すと海上タクシーしかないので、いっそ泊っちゃったほうがいいかもしれません。

さて、予定外の4日目を終え、ついに明日五島を後にします。
出発前までの5日目は鬼岳に登ってみました。
その様子はまた次回。